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Liar Game 〜1×5〜

第5章 罠



櫻井「はぁ…でもさ…美味かったんだよね…メシ。」


二宮「は?」


櫻井「いや、涼野くんが作ってくれた料理、すげぇ美味かったんだよね。」


櫻井「何かさ〜俺が今まで食べてきたご飯の中で一番美味かった!」


二宮「ふん、どうせ料理本見て作ったやつでしょ?」


櫻井「そうだとしてもあれはマジで美味かったなぁ〜…」


二宮「……。」


ほらほら、イライラしてる。


ニノってすげぇ嫉妬深いからさ…後輩がすごいって話聞くだけでちょっと不機嫌になる。


しかも今は涼野くんの話だから余計に。


櫻井「やっぱりさ…涼野くんっていい子だと思うんだよね〜」


櫻井「優しくてとっても素直で、笑顔も可愛らしくて本当癒されるんだよなぁ〜」


二宮「何処がだよ…?」


櫻井「ん?」


二宮「寝ている間に襲ってくる奴の何処がいい子なんだよ?!」


櫻井「ニノ…」


二宮「翔ちゃんさ…前から思ってたけど人に優しすぎるんだよ!!」


二宮「優しすぎるから…相手が調子に乗るんだよ…?」


櫻井「優しすぎるか……」


二宮「ねぇ翔ちゃん…もっと正直になっていいんだよ?」


櫻井「正直?」


二宮「そう…自分を犠牲にするんじゃなくて、嫌な時は嫌だって、ちゃんと言った方がいいよ!」


二宮「優しすぎるのってさ…相手にとってはいいことだけど…自分自身を苦しめると思う…」


二宮「だから…いろんな人に遠慮する必要とかないから……」


櫻井「ニノ……ありがとう……」


二宮「翔ちゃん、もし…もしさ、涼野に何かされたらマジで俺に言って?」


櫻井「うん、分かった。」


俺が正直になったら、ニノ…きっと驚くだろうなぁ。


だって本物の俺は……


表面だけがキラキラしてて中身が黒ずんでるから。

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