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Liar Game 〜1×5〜

第5章 罠



櫻井「…よし!やり方合ってる?」


二宮「えぇ、合ってますよ。」


櫻井「おぉ…すげぇ…」


二宮「これであいつから連絡来ることはない。」


櫻井「ありがとう…助かったよ。」


本当、単純で助かったよ。


櫻井「ちょっとトイレ借りるわ。」


二宮「はーい。」


さてと、ここからだ。


俺はわざと手帳をテーブルに開いたまま、トイレに行くフリをする。


開いた手帳には連絡先が書いている。


メンバーやマネージャーの電話番号の中に……


そう、涼野くんの電話番号も書いている。


しかも涼野くんのところだけ赤い字で電話番号を書いている。


こうすることで涼野くんの電話番号を強調させる。


ふふっ、ご立腹の二宮くんだったらこの手帳を見てどうするんだろうね?


二宮「……。」


おっ、ちらっと見てる。


二宮「……。」


手帳を手にとって…どうする?


二宮「……。」


スマホを取り出して……


撮影。


サイレントカメラか。


シャッター音は聞こえなくてもカメラを撮る仕草は誤魔化せないよな。


ここで確信した。


ニノは俺の手帳から涼野くんの電話番号を盗んだ。


でも俺は更に仕掛ける。


櫻井「ん〜…あっ、俺手帳開けっ放しだった?」


二宮「みたいですね。」


櫻井「ごめんごめん…あっ……」


二宮「なに?」


櫻井「涼野くんの連絡先…俺いつの間にこんなところに…」


二宮「ねぇ、何でこいつの番号だけ赤で書いてるの?」


櫻井「教えてもらった時、たまたま赤ペンしか持ってなくてさ…対した意味はないんだよ。」


二宮「ふーん…」


櫻井「この連絡先どうしようかなぁ…使わないしなぁ…」


二宮「捨てたら?」


櫻井「そうだな。」


ビリビリッ


櫻井「もう連絡することないし。」


二宮「他の連絡先も一緒に捨ててよかったんですか?」


櫻井「いいよ、マネージャーの連絡先はスマホに入ってるから。」


二宮「そう…」


俺はわざとニノの家にあるゴミ箱にメモを捨てた。


処分するのはニノだから、赤い字で書いた涼野くんの連絡先が目に入らない訳がない。


もしさっき、俺がトイレに行っている間に何もしなかった時の為に、このメモを用意した。

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