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Liar Game 〜1×5〜

第9章 心情



〜櫻井side〜


亜希「さよなら…翔……」


涙を流して部屋を出る彼女。


俺は彼女にフラれた。


いや


わざとフラれた。


キスマークのことを認め、俺の気持ちを素直にぶつけたらこの結果。


彼女は涙を流して別れを告げた。


あいつは賢いから、俺のことを周りに言いふらしたりはしないだろう。


櫻井「…クク…ふふふっ…!!」


これでいい。


これでよかったんだ。


これぞまさに俺が望んでいたこと。


櫻井「ククク……」


それにしてもあいつもバカだよな。


俺に騙されていたとも知らずに…


櫻井「あはははっ!!」


他人から見たら俺って彼女にフラれたショックで狂ったと思われるだろう。


確かに俺は狂ってる。


でもそれは元から。


みんな綺麗な仮面を被った俺しか見ていないからね。


櫻井「あははっはぁ〜…さてと。」


俺はLINEを開いてメッセージを送った。


ターゲットはあの獲物。


ただ、普通の他愛のないメッセージじゃなくて…


櫻井「クク…きみって本当に都合のいい奴だよな…」


『まさき』。


この名前を利用して俺はメッセージを送った。


櫻井「あのバカも本当利用しがいがある。」


そして、更に獲物に追い打ちをかけるように2枚の写メを送りつけた。


1枚目は別れる前に彼女と撮ったツーショット写メ。


そして2枚目は…


上半身キスマークをつけた俺の写メ。


写メに写った俺は淫らな身体をしている変態。


でも、今回はちょっと違う。


この身体、智くんに頼んで絵の具でキスマークをつけてもらった。


智くん絵上手いから、本物っぽく描いてくれたんだよね。


この偽キスマークをつけた身体を写して送信した。


そうすることで獲物はどうなるか。


これからの反応が楽しみで仕方がない。


櫻井「ふふっ…もうすぐしたら俺の望みが叶う……」


俺はスマホの電源を落とし、静かにお風呂場へと向かった。

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