Liar Game 〜1×5〜
第9章 心情
〜聖輝side〜
光樹「聖輝…大丈夫…?」
意識を飛ばしてから、数日間。
僕は貧血を起こし病院に入院していた。
聖輝「うん…ごめんね…心配かけて…」
光樹「いや……」
光樹くんはとっても優しい。
初めて会った時から僕のそばにずっといてくれた。
光樹くんに僕の気持ち打ち明けられたら…どんなに楽だろうか…
光樹「お前…痩せたよな…」
聖輝「えっ、そうかな…?」
光樹「ただでさえ痩せてるのに…それ以上痩せたら異常やで?」
聖輝「ごめんね…ご飯がのどに通らなくて…」
光樹「…何か…悩んでることあるやろ?」
聖輝「えっ…?!」
光樹「ここ最近…ずっとため息ついてるし、俺との誘い全部断ってるし…」
光樹「心配やねん!元々身体の弱いお前が…こうして貧血起こすくらいやから…」
光樹「なぁ聖輝…俺でよかったら…話してくれへんかな…?」
聖輝「光樹くん……」
光樹「……。」
助けてほしい…
僕は目の前に差し出された救いの手を掴むだけなのに……
すぐそばに救いの手があるのに……
聖輝「……。」
光樹「……まぁ…今は身体治すことを第一にな。」
聖輝「…ごめんね……」
光樹「ええって!じゃあ俺そろそろ行くわ。」
聖輝「うん…ありがとう…」
光樹「じゃあな…」
聖輝「……。」
僕は最低だ。
親友の光樹くんを傷つけてしまった。
一番身近にいる人なのに…何も言えないなんて……
聖輝「ごめんね…ごめんなさい…光樹くん…」
僕は布団に顔を押し付け、声を殺しながら静かに泣いた。