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Liar Game 〜1×5〜

第11章 糸



〜聖輝side〜


聖輝「美味しい〜♡」


僕は今、メインディッシュを食べている。


高級肉を使った絶品料理。


櫻井「ふふっ、涼野くんってすごく美味しそうに食べるよね。」


聖輝「んふふ、だって美味しいんだもん♡」


櫻井「気に入ってくれてよかったよ。」


聖輝「はい!」


僕は今、すごく幸せだった。


こんなに美味しい料理を食べて、


そして僕の好きな人……


櫻井さんと一緒にいられるのが何よりも幸せだった。


櫻井「ねぇ涼野くん。」


聖輝「何ですか?」


櫻井「涼野くんって好きな人いる?」


聖輝「えっ…?!」


好きな人……


櫻井「いる?」


聖輝「…はい……」


櫻井「へぇ〜、どんな人?」


聖輝「…優しくて…カッコよくて…僕が辛い時にはいつもそばにいてくれる人…」


櫻井「そっかぁ…それってもしかして…」


聖輝「えっ…」


さすがに気付いちゃったかな…


〜♪♪♪


櫻井「ごめん、ちょっと出るね。」


聖輝「はっはい…」


ピッ


櫻井「もしもし?」


聖輝「……。」


伝えたい…


あなたに好きだって伝えたい…


でも言えない…


恥ずかしいって気持ちもあるけど…伝えたら余計に苦しめちゃう…


彼女さんがいる人に告白なんて…ダメ……


櫻井「うん…うん、分かった、明後日ね。」


櫻井「じゃあまたね。」


聖輝「…あっあの」


櫻井「あっそうだ、大事なこと伝えるの忘れてたよ。」


櫻井「愛してるよ、亜希」


聖輝「えっ……」


櫻井「ふふっ、じゃあね。」


ピッ


櫻井「ごめんね、電話。」


聖輝「…あっ…いえ……」


櫻井「明後日彼女と会うことになったからホテルには戻れない。」


聖輝「…分かりました…」


櫻井「ごめんね、俺にも都合があるから…毎日一緒にはいられないんだ。」


聖輝「…はい……」


櫻井「でも、俺にも責任はあるから…犯人は必ず捕まえる。」


ギュッ


櫻井「きみの為に……」


聖輝「櫻井さん……」


あなたを独り占めできる時があるなら……


僕はたとえあなたにとって2番目でもかまわない。

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