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Liar Game 〜1×5〜

第3章 出逢い、そして再会



櫻井「あれ…涼野くん…?」


聖輝「あっあのぉ……」


モジモジさせて…可愛い奴め。


櫻井「どうしたの…忘れ物…?」


聖輝「えっと…あの……下に行ったら…タクシーが…いなくなってて……その…」


櫻井「うん…」


聖輝「えっと…電車も…乗り換えの終電に間に合わなくて…」


櫻井「うん…」


聖輝「なので…あの……」


櫻井「もしかして…俺に飲酒運転させるつもり?」


聖輝「いっいえ、そんな…あの……」


櫻井「なに…?」


聖輝「そっその…ひっ…一晩……泊めてくれませんか……?」


櫻井「えっ?」


聖輝「………。」


涼野くん…


きみは本当に俺のシナリオ通りに動いてくれるね。


俺の中のアカデミー主演男優賞だよ。


櫻井「…いいよ、入って。」


聖輝「あっありがとうございます!」


涼野くんは俺の家に上がり込んだ。


獲物が罠にかかってくる…まさにその通りだ。


タクシーのおっさんに金を渡すのと同時に小さなメモを渡しておいた。


『5分後、誰も乗せずそのまま帰ってください。』


何でタクシーのおっさんが素直に要求を飲んだかって?


金だよ金。


万札握らせて要求を飲ませたんだよ。


ふふっ、本当人間って欲にまみれたクズばっかり。


金を渡したらすぐ俺の言う通りにしてくれたよ。


タクシーのおっさんも俺の中の役者のコマだったわけ。


自分が乗るはずだったタクシーがいなくなって、涼野くんは焦ったはず。


電車の時間を確認しても、終電には間に合わない。


歩いて帰るには遠すぎる。


だったら他に方法があるとすれば?


そう、俺の家に泊まること。


それしか方法がないんだよ。


きみは俺の思った通りに動いてくれるから…本当笑っちゃうよ。


さてと…ここから更に物語は続く……

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