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問題児とオタク少女

第4章 交差する本心

谷村side


(仲良くしてくれてありがとう!)

さっちゃんが言った言葉が頭の中にリピートされる。

あんなん言われちゃうと照れるじゃん

さっちゃんって意外と鈍感なんじゃ…

まあ今日もとりあえず、

「さっちゃんティッシュ!」

そう言うと、さっちゃんは「またー?」と笑いながらティッシュを差し出してくる。

その仕草を見るたび、幸せな気持ちに浸れる。

その都度、

「さっちゃんはティッシュではありません」

という担任の声が聞こえるんだ。

これが俺の日常だった。

でも俺はまだ、

ー富士崎 真衣の本性を知らなかった。


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