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大切な人へ

第15章 お仕置き


バンっ‼‼
「何やってんだお前らー‼」

ものすごい声…


その声に腕が解放されてへたれこむ
よかった…だれか来てくれたんだ…


近くで机や椅子の倒れる音が鳴るけど
恐くて顔をあげられない…


「前田と山下か…絶対逃がさねぇからな…」



うずくまる私の肩にふわっと服がかけられた


え…? この匂い…


『…先生』

一気に涙が溢れて彼にしがみついた

さっきの…先生の声だったの?
あんな声出すのかって思うくらい…怒ってた



私は体操服を着たけど 体が痛くて立てなかった

先生が保健室に連れて行ってくれた

切り傷も多かったけどお腹の痛みが酷くて

病院にも先生が連れて行ってくれた


ずっと震えが止まらなくて


何も話す気になれなかった…


病院でお腹を見てもらい
切り傷の手当てを受けた

私の状態をみて婦人科も受診するか聞かれた
うつむいて首を横にふった



診察室を出ると先生が待っていてくれた

『肋骨に…ヒビが入っただけです…
大したことなくて入院もしなくていいって…』

まだ声が震えていた…

「ほんとに? よかった…」

はぁーっと大きく息を吐く

『心配かけて…ごめんなさい』

謝ることじゃないって 私を支えて
ゆっくり歩いてくれる…





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