
大切な人へ
第21章 繋がる
「体冷たい...中に入ろ?」
2人で部屋に入るけど
今先生がいることが不思議に思えて...
私の顔を温かい先生の手が包む
『あったかい...』
柔らかく笑う先生...
『どうして...いるの?』
「俺も会いたかった。ごめん泣かせてばっかりで」
ぎゅっと抱きしめてくれる先生の鼓動は
走ってきてくれたからか少し早い...
私も腕をまわそうとするとキスをしてくれた
深く深く...目まいがするほどに
大好きって気持ちが伝わるキス
足がふらついてしまった私を抱き上げて
ベットにつれてきてまた抱きしめられる
これも夢?
夢でもいいや...こんなに幸せなら...
『会いたかったけど
こんなに早いと思わなかった』
「現役の時より早く走れたかもね」
『ごめんね急に会いたいなんて言って』
「謝るの俺の方だから...」 え?
「俺のものにしたいって言ったのに
美優に触れるのがこわかった...どうしたって美優を
傷つける気がして、こうして迷うことでも泣かせて」
苦しそうに話すこれがずっと先生を
あんな顔にさせてたの?
『傷つかないよ...私が泣くのはあなたが好きだから。
教えてくれたでしょ?私が泣いてた終業式の日』
彼の頬に手をあて見つめる
覚えてる?私を救ってくれた言葉...
『相手が悲しいのはただあなた(藍野さん)が好きだから
傷つけられたからじゃないよ』
