
大切な人へ
第22章 冬休み
晄人さんは気をつかって
早めに帰って行ったので
溜まっていた家事をしてお昼にファミレス向かった
私はすっかり薬を飲むのを忘れていた...
自転車でむかい少し早くついたけど
今日は特に寒くて中で待っていた
「ごめん!待った?」
そう言って彼はコートとマフラーを外していく
なんかいつもと違う?一瞬先生が浮かんだ...?
うぅんって首をふった
彼の冬服を初めて見た。がっしり系なのに
シャツもコートも清潔感があってジャストサイズ
身長があるし足も長いのでパンツもきれいに履いてる
「ん?」
メニューから顔をあげて目が合って
自分がずっと彼を見ていたことに気付く
『井川くんって...かっこいいね』
「...え?」
え?今の私が言った?
『え?あ!ごめん!私服かっこいいの間違い』
とっさの修正は完全にディスってしまった...
「なんだそれ 笑 メニュー決まった?」
ははっと軽く笑って流してくれたけど恥ずかしい
朝食を食べ過ぎたせいかお腹が減ってなくて
始めに取り分けて手伝ってもらった
「お前...また痩せてないか?」
するどい...多分痩せてしまってるはず
うそは見抜かれるしな...
『ちょっと風邪ひいててね これ本当ね』
「...まじで?あの日のせい?」
え?...なんの事かも忘れてた
『違う違う!発症は25日くらいだから』
「Xmasじゃん 寂しいやつ」
