
大切な人へ
第22章 冬休み
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だんだん体調が悪そうに見えてたけど
本当はかなり我慢してたみたいだ
苦しそうにしてるくせに歩いて帰ろうとするのを
止めて無理やり家につれてきた
家帰っても1人のくせに...
薬を飲ませて寝かせたけど気になって
少し後に様子を見にいくとすごい汗をかいていた
濡らしたタオルで見えてるとこだけでもって拭いた
近くで見るとやっぱ痩せたよ...
お前ずっと...何に悩んでんだよ...
少し動く度に手を引っ込めてを繰り返してた
こいつの熱のこもった息や表情を見てると
妙に色気を感じて自己嫌悪に落ちる 病人だっつーの
タオルを置いてそっと首に触れる...熱あるかな...
... ‼
その手を掴まれてそっと自分の頬にあてた藍野
起きたのか?
頬すりをするようにして少し...笑ってる...
唇がその手に触れていき目が離せなかった
何が起こってんのか分からなくて心臓がバクバクして
でも...
こいつの口から聞こえた声に
頭が真っ白になった...
『__ アキトさん....』
嬉しそうにそう言って寝息をたてている...
それでも手を握ったまま離してくれない
俺は”その手”を離してくれるまでそこに座ってた...
どのくらいそこにいたかな
何にも考えずずっと寝顔を見てた...
やっと握る力が抜けて解放され 俺はリビングに戻った
