
大切な人へ
第22章 冬休み
ー井川sideー
制服を返すと言って藍野と会う約束をした
直接会って謝りたいって思ったし...心配だった
休んだ原因も知って ケガまでしてて
あいつは1人暮らしって言ってた
知らなかった...ずっと近くにいたのに何も言わなかった
それって知られたくなかったってことで...
何か理由があるんだろう だからもう聞かないけど
あいつはすぐ悩んだり隠したりするからな
人の事はよく見てるくせに 自分の事は見せない
...まぁそれは 俺も同じか 笑
早めに行ったつもりが先に藍野がきていた
少し元気そうに笑っててほっとした
そんな藍野に聞かれたのは...どうして好きになったか
なんで今更そんなこと聞くんだよ...
でも多分言ったら元気を出してくれそうな気がした
また痩せたこいつの食欲がもどるかな...
多分自分に自信のない藍野にいいところを伝える
言いだしたら自分でもびっくりするくらいあった...
俺はずっと見てきたんだなって実感する
あのペンの時以降ほとんど目も合わなかった頃も
俺は見てた...
頑張ってるとこも優しいとこも気がきくとこも...
無理して笑うとこもな...
俺の方が優しいとか言うな
俺は好きだから優しくしてるだけだ
