
大切な人へ
第22章 冬休み
「...美優誘うのうますぎ」
そう言っておでこ同士をあててぐりぐりされる
午後はちゃんと安静に!って言われたけど
この休みに入って勉強がまともに出来てないからって
無理のないようにと念を押されて帰って行った
さっきまで甘い空気が漂っていた部屋だけど
勉強モードに入ると集中できる
どんな時でも集中力が保てるのは私の特技だと思う
オンオフがはっきりしたタイプであり没頭型人間だ
お昼が過ぎるころまで課題をして少し休憩
パンとコーヒーで食事にしてスマホをとった
[風邪よくなりました 薬とか色々ありがとう
自転車いつならとりにいってもいい?]
もう1人心配をかけてしまった人にメールした
まだ部活中だろうな
その後もずっと課題を続けてかなり進んだことに
ほっとする 去年は年内に終わってたからね
6時頃に部活が終わった彼からメールが届いた
「今日でも明日でもいつでもどーぞ」
明日はイベントに自転車を使いたいし...
そのまま井川くんに電話してみる
『もしもし?話した方が早いかなって思って...
今日でもいいの?ご両親帰ってきてるかな?
送ってもらったお礼言いたいんだけど』
「両親旅行中でいない。
俺と弟しかいないけど取りに来るか?」
『え?じゃぁ夜ご飯どうするの?』
「弟帰ってきたら適当に買って食べる」
そんなことを聞いちゃったら作らせてもらいます!
遠慮されたけど待っててって無理に電話を切った
