
大切な人へ
第22章 冬休み
急いで食材を買いに行って作り
彼の家に着いたのは7時半くらいだった
弟くんいるならいいよね...?
少しの罪悪感を抱きながらチャイムを押した
彼の弟くんは健(たける)くん中学2年生で
井川くんとは少し違うタイプの
目がぱっちりしたイケメン君だった
『初めまして お兄さんと同じクラスの
藍野美優と言います ご飯食べてくれる?』
彼はいただきますって嬉しそうににっこり笑ってくれた
可愛い...‼
思わずキュンってしてしまった...
健くんは中身もお兄さんと全然違うみたい 笑
作って来たものをテーブルに並べていくと
2人が歓声をあげてくれた ハモってるし
「うまい!美優さん料理上手ですね!」
健くんがそう言うと井川兄からにらまれてた
美味しいって食べてもらえるとやっぱり嬉しいな
黙ってパクパク食べる井川くんをちらっと見ると
「うん 美味いよ」
『ありがとう!良かった~』
表情1つ変えずにそう言ってまた箸を進めているけど
すごく嬉しかった
それを聞いて私も一口。うん!美味しい!
「2人って付き合ってないんでしょ?」
健くんの声に私たちは固まった
「でも仲良いんだね?ご飯作ってくれるとか...
美優さん綺麗だし彼氏いないの?」
可愛い顔で爆弾をおとす健くん...
うるさいだまれ!ってお兄さんの低い声が部屋に響いた
