
大切な人へ
第23章 守りたい
その声に凍りついてしまう…
でも先生を呼ぶ声は近づいてきてる…
どうしよう__
…‼
「大島か。悪い…今プライベート」
彼の胸の中にぎゅっと押し込められて
先生は声の主に明るく言った
「あっ彼女?ごめんごめん」
声の主も私に気付いて離れていったみたい…
先生は普通に話してる風だけど聞こえてる
凄く早くなった心臓の音…
今まで聞いてたのとは全然違う音がしてる
「ごめん痛かった?顔上げないでこっちきて」
言われたまま動いて車に乗って走り出す
大丈夫かなって言うと多分ってだけ答えて
表情は暗い…
さっきのは2ー5の大島くんで野球部らしい
「ごめんなさい…
手なんて繋がなければ…もっと離れてれば…」
生徒と偶然会ったことに出来たのに…
「美優のせいじゃない!
俺が始めに握ったでしょ?ああしたかったから」
今日は一緒にいない方がいいって言って
お互いの部屋に帰った
部屋で立ち尽くす…
考えろ…考えろ…
どうすればいい
私に出来ること
彼を守る方法__
私は家を飛び出しある場所に向かった
