
大切な人へ
第23章 守りたい
「おはよ~…え!?藍野さん?」
教室に入ってくる子達が驚いてる…
そうなってもらわないと困るけどね
「おはよ♪」
紗羅の声に振り向いて答える
「え~⁉美優?どうしたの… 髪…」
新学期の今日
背中を隠すほどあった私の髪は
肩に少しつくほどの長さになっていた
似合うかなって聞くと似合うって言ってくれて
ちょっとほっとする
だってこんなに短いの小学生以来だもん
「おはよー……」
井川くんが私を見て固まってる
『おはよ 課題終わった?』
「あぁ…まぁ…」
変?って聞くと変じゃないとだけ言われた
まぁ可愛いなんて言われたらびっくりするし
「井川いるー?」
この声… 返事をする井川くんに近づく足音…
「今日の練習のことで…」
話しかけながら歩いて来たその人と目が合う
「あれ?藍野さん髪切ったんだ?」
私のこと知ってるんですね
そう言ったあなたの顔を私は初めて見たよ?
『うん…昨日の朝から切りに行ったの』
「昨日の朝?…へぇ~」
なんだよって井川くんがイライラしてる
「昨日藍野さんに似た人見たんだけど…」
『私?』
「昨日弟の野球見に行っててさ…
鈴木先生に会って隣に居たのが藍野さん?って
思ったけど…やっぱ違ったよね 笑」
『私じゃないよ 昨日は髪切って
その後はずっと家にいたから…』
自然にできてる?
一応設定決めて練習してきて良かった…
「だから井川!監督に休んだ理由口裏合わせて!」
彼は本当に井川くんに用があったんだね…
