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大切な人へ

第23章 守りたい


部屋のチャイムにドアを開ける

『入ってください 夕食出来てます』

試験が終わって次の日
お互いに何も言われることはなかったので
先生が部屋に来た。でも恐くてすぐにドアを締めたい


お疲れさまでしたって言いながらキッチンに向かう

「美優...ごめん!大事にしてた髪...」

後ろから抱きしめられて
耳もとで聞こえた先生の声が弱々しくて...
泣いてるの?って思うくらい揺れてた

『大丈夫 髪なんてまた伸びるから
私は晄人さんより大切なものなんてないの』

首元にまわされた腕に触れて伝える

私は何も後悔なんてしてないって...



だって晄人さんは知らないでしょ?あの髪の事

だから気にしなくていいのに...



『そんなことよりも!』

明るい声を出して振り返った

『何かあったら絶対に教えてください!約束ですよ?』

「うん...ありがとう」

彼は笑っていたけど悲しそうだった

そんな顔しないでよ...



食事を温めなおして2人で食べた

今日はずっと晄人さんが私を見つめてる

『...変ですか?似合ってない?』

私というか髪を見てるよね?何か言ってほしい


「すごく似合ってるよ 可愛い」

...... 。

反則だよ

こんな時だけそんなに優しく笑わないでほしい



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