
大切な人へ
第27章 あなたと離れて
また勉強に集中して忘れよう
少し暗くなるまで頑張った頃お母さんに
私の分も作ったからと言われてご馳走になってしまった
『美味しい!すごく美味しいです!』
「本当に!?嬉しいわ~」
お母さんは本当に嬉しそうでレシピを教えてくれた
男の子ばっかりだからあまり美味しいって
言ってくれないって2人を見てた 笑
その日はお父さんは帰りが遅くなるらしく
4人で夕食をとって お母さんと片付け
井川くんはソファーでテレビを見てる
「一人暮らし大変でしょ?すごいわね!」
『いえ。もう慣れました』
「ご両親も心配してるでしょ」
『父は小学生の時に亡くなりました
母は再婚相手と暮らしてて、個々にって感じです』
ごめんなさいねってシュンとなってしまった
私は気にしていないからって慌ててフォローする
『だから今日みたいに食事してお母さんと並んで
洗い物なんてすごく嬉しいです!
ありがとうございました』
「いつでも大歓迎よ!私も娘が欲しかったから
藍野さんみたいな子が娘なら嬉しいのに!!」
そう言ってちらっと井川くんの方を見てた...
嬉しいけどお付き合いもしてませんよ...
「暗いから気をつけて帰ってね?」
井川くんとお母さんが見送ってくれた
お礼を言って自転車で帰って行く
井川くんちはいいな...明るくて温かくて
