
大切な人へ
第27章 あなたと離れて
コーヒーのカップを1つ受け取る
「あいつにあんまり気許すなよ」
『あいつって健くん?』
明らかに不機嫌になってる...
昨日と全然違う顔してますよー
「多分あいつ女癖悪い」
『え!?あんなに可愛いのに?』
...失言だったみたい
ピリピリした空気が痛い
「あの見た目だからだろうけど
少なからずお前も多分その対象だと思う
だから年末も俺の彼女か聞いたんだろうし」
本当に?
もしそうならなんかショック...
「まぁ外で会わなきゃ2人にはならないだろうけど」
『うん...そうだね』
「何...残念そうだけど?抱かれたいって?」
『そんなわけないでしょ‼
井川くんの弟だからちょっとショックだっただけ』
「ふーん...まぁ無理やりとかはないと思うから
でもお前ガードゆるゆるだからな」
『そんなことないですっ!』
...‼
いきなりコーヒーを持つ手を上から握られて
目の前に私を見つめる彼の顔が...
「ほら...隙だらけ」
そう言って目をそらして離れていく...
心臓がとまりそうだった
「もうちょっと男との距離間空けとけ
気があるとか勘違いもされるぞ そんなんじゃ」
『はい...』
この忠告は素直に聞くけど...
絶対今顔赤い...
