
大切な人へ
第35章 井川くんと翔ちゃん
帰り道で井川くんは自分から手を繋いでくれた
今日も結局優しかったな...
2人は昔からお互いを意識してたんだって
ピッチャーの井川くんとバッティングが上手い翔ちゃん
いいライバルだったらしく前から会えば話しをする様な
関係だったとか...2人共これからも野球を続けるそうだ
大学に行ってもまた一緒にしようって言った井川くんに
翔ちゃんは受験頑張るからって抱きついてた 笑
井川くんは男にもモテてしまうタイプなの?
なんか複雑だな
部屋について彼に少しだけ部屋にあがってもらった
『今日全然はかどらなくてごめんね?』
「いや。楽しかったからいいよ
美優の小さい時の写真とか昔話も聞けたしな」
カウンターで色々聞いたみたい
母は元プロのピアニストで今は
ピアノ教室の先生と交響楽団のヘルプをしてること
だから私は音楽バカだったこと
お仕事が忙しかった母に代わって
父がいつも私をかまってくれていたこと
優しく話してくれた彼に1つ伝えたいことがあった
やっぱり恥ずかしくて小声になるけど...
『慎也くんって呼ぶのは今は2人の時だけでもいい?』
彼はクスクス笑いながら抱き寄せてくれて
嬉しそうな声で言った
「そんな顔他の奴に見せたくないから...それでいい」
できれば慎也でって言われたけど
それじゃいつまでも人前で呼べないかもしれないです
