
大切な人へ
第35章 井川くんと翔ちゃん
その後 井川くんは今日はもうやる気なくしたって言って
カウンターでおじさんやおばさんと話してた
私と翔ちゃんは勉強に戻って
各教科の勉強の仕方を伝えていってた
何度もこれないし結局勉強って自分でしかできないから
最後は1人でやるしかないの...
でも頑張ってるのは自分だけじゃないからね?
私たちは同じ受験生なんだから‼
もうお店をしめる時間になって
いろいろご馳走してもらったお礼に
お店の片づけを手伝わせてもらった
おじさんと翔ちゃんは外の片付けに行った
『おばさん...翔ちゃんのこと
見ててあげてくださいね 2人ならもうそうかな…』
テーブルを拭く手を止めずに話した
『苦手なことを克服するって大変なことだから...
でも見ててくれる人がいるってすごく大きいんです。
認めてもらえたり褒めてもらえるだけで
やる気も出るし強くなれると思うから...
翔ちゃんをいっぱい見て 褒めてあげて下さいね‼』
私がそうだったように...
私のお父さんの様に...
3人は店の前で私たちを見送ってくれた
久しぶりにきたこの辺りは
私の部屋から30分もかからない場所
今の学校からは1時間あれば着く場所なの
なのに私は...高校に入ってから一度も来ていなかった
多分それは...
