
大切な人へ
第37章 強くなりたい
『_やっ…っ_______』
1度離れた唇がすぐにまた戻ってくる
やだよ… 井川くん…
「てめーーっ‼‼」
その声が聞こえて
ばっと目の前から彼が消えた…
その後すぐ目に飛び込んできたのは
井川くんが彼の胸ぐらを掴んで
握った拳を大きくあげているところで
『待って‼‼ダメ‼』
「…なんでだよ かばうのか?」
私は必死にその右手にしがみついた
『違う…でも殴らないでっ』
泣いてる私を少し見つめて
手をおろしてくれた…
パァンッ‼
井川くんに掴まれていた彼の顔を
思いっきり叩いた
『最低っ‼警察に言われたくなかったら
ここ辞めてっ‼顔も見たくない‼』
静かな駐車場に私の震えた大きな声が響いた…
叩いた右手が
ジンジンと痛んだ
