
大切な人へ
第5章 終業式
『はぁ……』
どの位こうしているんだろう…
1人ポツンと教室の席に座っていた。
泣きつかれたのと
そのせいで頭がいたい
何気なくスマホをさわる
紗羅からのメッセージが入っていた
画面には先生の名前 晄人
彼にはまだ1度も送っていない
花火まで会えないのかな…
会いたいな…
『__帰ろ』
やっぱりこんな顔で会いたくない。
笑えないし心配かけたくない。
誰もいない静かな廊下を進み
ゆっくり階段を降りていく。
この階段も私は苦手。
くるくる回りすぎだよ…
急ぐと目が回ってしまうし
何度か気分も悪くなった。
帰ろうと思うのに
先生の事が頭から離れない…
だから下までいってメッセージを入れた
もう 帰りましたか?
「____まだ。」
_______‼
後ろから聞こえたのはその人の声だった
