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大切な人へ

第42章 見つめる


それを言ったのは...隣に座る井川くんだった

私の出来は想定内の結果だったため
あとは発表を待つ状態


彼はこの1年本当に努力した
それに成果を出してきた

でも第一志望のH大は難関校だったため
滑り止めも受けていた


もし彼が言っていることが悪い方に転べば
私たちは別の大学になるかもしれなかった


井川くんが...

いなくなる...?



当然そんなことはないのだけれど

今まで近くに居すぎた彼の存在が

あまりに大きすぎて...




でも私が落ち込んじゃいけない

まだ何も決まっていない




この時期のクラスの雰囲気は異様なものだった

生徒も先生もピリピリと張り詰めていて

休み時間でさえ話をする人は廊下に出るような静かさだ



受験だけは自分以外は誰も助けてくれない

私も彼に...何もしてあげられないのかな



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