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大切な人へ

第5章 終業式


学校を出たのはもう夕方が近付いていた。

自転車に乗って、アパートに入り顔を洗う
本当にひどい顔…笑

今まで悩んでいたのが嘘のように
今は先生のことで頭がいっぱいだ…




私は元々、結構冷静で慎重なタイプだ
よくいえば真面目。悪くいえば小心者。
軽い考え方ができない性格

昔から しっかりしてる 大人っぽい と言われる
それは見た目じゃなくて中身の事だと思ってる


私は高校入学と同時にここで暮らしだした
ワンルームで8畳しかないけど、汚くないし
お風呂とトイレが別なのも気に入っている

部屋は必要最低限のものしかなく殺風景
女子高生らしさなんてどこにもない


私が小学生の頃、事故で父を亡くした
残された母と私は毎日泣いて暗く過ごした
でも徐々に母の笑顔が増え、私も笑えた

その理由はすぐわかった
母には彼氏ができたのだ
父が亡くなってからの付き合いだろうけど
私は彼を受け入れられなかった


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