
大切な人へ
第5章 終業式
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階段をかけ降りて出口へ走り彼女を見つけた
声をかけた彼女の顔は別人の様で…胸が痛む
泣き張らした目…疲れた顔…
ベンチで見かけてから約3時間がたっていた
このまま帰せず引き留めた
でもどうしていいかわからない
生徒の相談どころか普段から他の生徒と
ほとんど話さないのに
でも彼女は違った
勉強も見るけど、俺との話しを楽しんでた
いつも笑顔で 俺も居心地よくすら思っていた
そんな彼女が苦しんでる 助けてあげたい…
かっこいい教師らしいことは言えないけど
力になってあげたいと 自分の言葉で伝える
すると教えてくれた…告白が苦しいと…
話を聞くと正直そんな事でと思った
でも彼女はまたそれを思い出して泣いている
『思い出し泣き』
_______その意味がやっとわかった
彼女のルックスならモテるだろう
でも毎回こうして傷ついていたんなら…
ずっと消化できずにいたなら…不憫だ
君がもう傷つかないように…
片想いの恋愛を1つずつ話していく
君は誰も傷つけてなんかない と。
君を助けたい
君には笑っていてほしい
君に何をしてあげられる?
自分の優しさのせいで苦しんでしまう様な君を
守ってあげたい…
この感情が特別な意味を持つことに
まだ自分も気付いてなかったのかもしれない
