
大切な人へ
第56章 公認彼女
「お母さん綺麗だもんね
初めて会った時はびっくりしたよ。緊張したなー」
笑いながら母と会った時の事を話してくれた
喫茶店で待ち合わせて会ったそうだ
大きなサングラスに綺麗な服で手袋を外さない母
外にいる彼女はいつもそうなの
「でも店内でサングラスをとって素顔を見て
丁寧にあいさつされて...美優の母親だなって思った」
『母は別格です。私なんて足元にもおよびませんよ』
「そのまま大人になれば あんな風になると思うよ」
彼はすごく優しい笑顔でそう言ってくれた
なれるのかなぁ...私もあんな風に
彼はこの日、ずっと私と手を繋いでくれていた
こんなにたくさん人がいるところでなんて
前じゃ考えられなかったことなの
たったこれだけのことなのに
私は凄く嬉しくってよく笑ってたと思う
だからその後 千香ちゃんとお姉さんにも
何かいい事あったんでしょってすぐ言われちゃった
『すごくたくさんありました!』
「わかりやすいね?先生って 笑」
2人に色々聞かれたけど秘密って通したの
だって晄人さんのお姉さんだもん
まだちょっと...どう言えばいいかわからないよ 笑
