
大切な人へ
第58章 晄人さんとお友達
上を向いて顔だけこちらに向け
口元に腕をのせてぼーっと見てる...
晄人さんの動きに合わせて揺れる視界
恥ずかし過ぎて両手で顔を隠して息を止めた__
「美優いきそ...」
耳もとでそう聞こえた
中はダメ...‼
力いっぱい彼を振りほどいて
布団の中で彼のものを口に含んだ___
急いで服を直して部屋を出た
洗面台で口をゆすぎ顔を洗った
まだ息も切れていて火照ってる...
下の部屋の人たちもみんなそのまま寝てて
電気もつけずキッチンの奥の椅子に座った
もう部屋には戻れない...
眠いけど眠れなくて放心してた
「こんなとこにいたんだ...
出ていったのかと思って焦った 笑」
祐司さんだ...
彼は上着を着ていて寒そうにしてた
『え?...外まで見に行ってくれたんですか?』
私が謝るといいからって笑って
俺もごめん…って
温かい紅茶を入れてくれた
「ちょっと寒いけど初日の出見に行く?」
彼の優しい提案に誰のかわからない上着を着て
カップを持ったまま外に行った
空はうっすら明るくなってきていて
自然が爽やかな音を奏でていた...
「日の出を見ながらお願い事すると叶うんだっけ?」
『そう言いますね。やってみようかな』
2人で黙ってゆっくり昇る日の出を見てた__
何お願いしたの?って聞かれて
祐司さんが晄人さんに今日のこと言いませんように
ってお願いしたって言ったら
叶えるの俺じゃんって笑われた
「言わないよ。
エロい顔の美優ちゃんに見とれてたとか言ったら
多分キレられる。友達やめたくないからねー」
...... 。
祐司さんって優しいけどよくわからない人だ
知ってますか?
願い事は人に言ったら叶わないんだよ?
私の願い事は誰にも言いません__
