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大切な人へ

第6章 夏休み


「もう少し 頑張って」

そう言って突き当たりのドアの鍵を開けた

キィーー…

重そうな扉が開くと向こうは外だった!


どうぞ と先生に呼ばれて出ていく
そこにはまた階段があって屋上が広がっていた



『うわぁ……綺麗』

実質6階からの眺めに見とれてしまう…
もう暗くなった空に街の明かりが栄えている



「ここ生徒立ち入り禁止だから 秘密ね」

横でそう言った先生はすっと目を細めて笑った




『はい…ありがとうございます!』

私は何もかもが嬉しくてウルウルしていたけど
満面の笑みだったと思う



「…もう始まるな そこ座ろうか」


腕時計を見て 丁度いい高さの段差の方へ



「あ…服汚れるかな」

『大丈夫ですよ』

女の子扱いがくすぐったくて嬉しい



近づくと先に座って見上げる先生と目が合った
黙っていたら見つめてしまいそうで…



『あの…どうですか?これ』

オーバーに手を広げてクルッと回った 笑


「うん…似合ってる」

少し小さな声で…え⁉…照れてる⁉

自分で言ってかなり恥ずかしいけど



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