
大切な人へ
第64章 告白
『ありがとう...でも私がいけなかった
自分勝手な気持ちを押し付けて
真面目な先生を困らせてばっかりだった』
「いや...俺が浅はかだった
もっと違う形はいくらでもあったのに
だから彼女を責めないでほしい
教師としてとってはいけない行動だった」
今更だけど...
こんなにストレートにこの話をしたことなくて
彼の当時の苦しみを実感する
でも受け入れられない感じだったこの場の雰囲気は
井川くんのフォローのお陰でもう変わっていた
2人は私たちの関係も少し理解してくれたみたいで
責めるようなことは一切なかった
一度別れた時の話しにもなったけど
私たち3人の様子を見て
無理に話さなくていいって上田くんが言ってくれた
「そんなことになってたんだね...
誰にも相談せずに黙ってたんだね 美優すごいよ...」
『ごめんね紗羅...ずっと隠してて
井川くんには途中でばれちゃったんだけどね 笑
でも一緒にずっと黙っててくれてありがとう』
井川は藍野さんのストーカーみたいだったからって
上田くんが笑ってた
「でもさ、どうして急に言う気になった?」
井川くんの視線がするどく晄人さんにむいた
「教師…やめるつもり?」
