
大切な人へ
第64章 告白
『本当に...良かったんですか?』
「うん。ずっと黙ってくれててありがとう
隠すのつらかったこともあったでしょ?」
彼からの提案で紗羅と上田くんに
晄人さんを彼氏として紹介することになった
井川くんは本人が嫌がれば無理に呼ばなくていいって
でも井川くんは来るって言ってくれた...
2人に本当の事を言えるのは嬉しいけど
なんだかすごくこわい...
自分がしたことの重大さを実感する__
先に来た2人が私の隣に座る彼を見て固まった
「美優がずっと好きだった人って...」
どう言っていいかわからないように
2人は戸惑ってた
『うん...2年になってすぐからずっと好きだった人
当時は__「俺もずっと好きだった」
私の話を遮るように彼は話し出した
在学中からそんな関係になっていたことが
わかってしまうような言い方で___
やめて!どうして!?
『晄人さん!やめてください!』
焦って彼の腕を握った
少し声が大きくなってしまった私の頭を
後ろからクシャっとされた
「お前うるさい。逆に目立つぞ」
井川くんの登場で晄人さんの話しも止まった
「もうお前にばっかり押し付けたくないんだろ
言いたいんなら言わせてやれば?」
平然とした態度に2人はまた驚いてた
「井川...全部知ってたのか?」
いつも笑顔の上田くんが真剣に聞いてた
「あぁ。始めは俺もびっくりしたけど...
俺は2人とも悪いことなんてしてないと思う
たまたまこの関係だっただけで真剣だったんだ
その分2人とも苦しんでたの知ってる
真剣だったから今もこうやって付き合ってるんだし」
井川くんの言葉に涙が溢れた
