
大切な人へ
第1章 はじまり
『藍野 美優 (あいの みゆ)です。
1年の時も2組でした。
部活には入ってません。
よろしくお願いします。』
この名前だから女子の出席番号では
いつも1番 アルバイトをしていたから
高校では部活に入らなかった
「じゃ、委員長と副委員長決めるぞー」
小さな紙が配られて
男女1名ずつを書き投票
今日から始まったクラス
まだほとんど知らない子が多い中
私はすごく損な名字だ…
「男子は井川で 女子は藍野さんね。」
__ほらね 笑
「またかよ~!」
隣の席の井川くんが机にうなだれている
そんな彼をちらっと見ると目があった
な?っと目で訴えられてクスッと
笑ってしまうけど 頷いた
「票数多いの井川だから 委員長でいいか?」
先生がこちらを向いてそう聞いてくる
「なぁ、俺部活忙しいし代わってよ」
『えっ⁉ わたし?』
私もバイトあるのに!って思うのに
お願い‼って懇願する姿に負けてしまう…
「じゃぁ藍野さんが委員長ね。拍手。」
はぁ…と心の中でため息をつく
