大切な人へ
第7章 ハプニング
頼ってもいいんだよ__
ずっと頼らずやってきたつもりなの…
頼っちゃいけないって
私は1人で頑張らなくちゃって…
だめだ泣きそう…
『あ…もう大丈夫…』
そう言って足を引くが離してくれない
先生の視線が痛い
離してくれないと… ほら…
__ポタッ __ポタッ
そっと頭を撫でてくれる温かい手
「頼りない?俺も…周りも」
『…優しすぎです』
少し首をふって答える
「俺ね、1人で大人数相手にするの苦手なんだ」
先生はたまに急に話を変えるときがある…
「だから授業下手だろうなって思う」
『そんなことないです!解りやすいですよ!』
「でも勉強聞きに来てくれたでしょ?」
『あれは…私がもっと基礎でつまずいてたから』
「うん。でも嬉しかった。聞いてくれて
俺まだ新米だし…
こんなに質問しにきてくれたの初めてでさ…
その後成績も上がったからすごい嬉しかった」
先生は少し照れた様に嬉しそうに話してくれる
「客観的に見てくれた意見って勉強になるんだ
藍野さんのお陰で俺も勉強させてもらった」
「これからも何か思うことあれば教えてほしい
俺は藍野さんを頼りにしてるよ?」
先生が…私を?
不純な動機で始めた勉強会だったけど
先生に質問するために私は今までにないくらい
科学の勉強をした 授業にも集中した
先生の時間を無駄にしたくなかったから
でもそれが先生の為にもなっていたんなら…
嬉しい_______
『先生の為なるなら…喜んで』
目を細める彼に私も微笑んだ