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大切な人へ

第8章 いらっしゃいませ



ー先生sideー



暗い部屋で目が覚めた…どこだ?

目だけを動かし部屋を見ていると
だんだん思い出してきた…!


かばっと起き上がる 彼女がいない…

ベットの縁にいって

「おっと…」

思わず声が出てしまった
彼女が床で眠っている こんなところで…


自分にかけてくれたであろう布団を
今度は彼女にそっとかけた


どうしよう…


今帰ってもカギも閉められないし
時計を見ると3時で起こすのも可哀想だ

結局また横になり 寝息をたてる彼女を見下ろす




綺麗な顔立ち、長いまつげ、手入れされた
長い髪、1つずつに見とれる…


『…ん』

彼女の甘い声にとっさに目を閉じた
寝返りをうっているような音
体が痛いんだろうと罪悪感を感じる


目を開けると背中を向けて布団はずれていた

服がめくれて見える綺麗な背中
キュッとしまったクビレに目が行ってしまう

それを隠すようにまた布団を掛けなおす


この状況でもし彼女が同世代なら…
生徒ではなければ…

全く逆の行動をとっていただろう


感情を抑え、優しい教師であろうとするのは
彼女が…藍野さんが生徒だから


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