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大切な人へ

第9章 伝えたい


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俺は生徒としか見ていない
同級生と付き合った方が楽しい
大人に憧れをもっただけだ

教師としてはそんな言葉が理想だろう
大人ぶった薄っぺらい言葉だ

でも俺はそれが言えなかった


彼女の気持ちには始めの方から
気付いていた。そんな気がしていた

でも俺はもう1つ気付いている気持ちがある


ただでさえ彼女の様な女性に好意を持たれて
嬉しくない男はいないだろう

それに俺も知っていったんだ
彼女の優しさ、ひたむきさ、頑張り...弱さ



俺はその感情を抑えて その代わりに
彼女を救いたいと思うようになっていた
兄の様に。亡くなった父親の様に。

彼女の苦しみを、涙を減らしてあげたい
そう思うのは今も変わらない



でも俺は教師だ。 一生の仕事だと思ってる




しばらくして立ち上がり教室を出た






告白をしてくれた日から2日目の午後

夕方会って話したいとメールした



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