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大切な人へ

第10章 4人で花火


「俺が?なんで俺まで」

『違うの?ずっとそう思ってた。
紗羅は可愛いし、2人とも?って』

「ま~美人だと思う。
俺はお前の方が美人だと思うけど」


『は...い?』

急な展開に頭がついてこない




「お前さ1年の時からモテただろ?
お前にふられたって結構聞いた」

『....』

「終業式の日...なんで泣いてた」


優しい声...こんな声だっけ?
心配してくれてるのがわかる

ずっと1人で悩んできたことだけど
もう私は大丈夫!



『...苦しかったの』

「うん...なんで?」

『私ね...告白されるのずっとこわかったの

好きって言われても嬉しいって思う前に
断ることばっかり考えてて...

落ち込ませちゃうとか
傷つけたくないなとか』


「付き合おうかなとか思わないの?」

『思えなかった。好きになってないのに。
昔それで大切な友達を悲しませたから...

無責任なことして傷つけたのに
その子は笑って許してくれた...

でも、もとの関係には戻れなかった』

やっぱり...

彼の事を考えるとまだ苦しい...



ずっと黙って聞いてくれる


『でもね。今はもう大丈夫!
好きになってくれてありがとうって
言えると思う。もう泣かない!』

「それって...好きな人できたとか?」


先生の顔が浮かぶ


『うん...
どうしたいかまだわかんないけど』


彼はうーんっと背を伸ばして言った

「そっかー
じゃあ俺にもありがとうって言ってよ」




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