
飴と鞭と甘いワナ
第4章 scene Ⅳ
「ごめ…っもうちょい、待って…」
手のひらをすばるに向けて "待て " のポーズ
一度ツボに入ると立ち直るのに時間掛かるんだよ
こればかりは、昔からだから仕方無いだろ
「大野さん、ツボると止まらんからなぁ…」
すばるが呆れたようにソファーに凭れかかる
分かってんならおとなしく待っとけ
これでもだいぶ短くなったんだ
「ええわ、もう時間ない
…言いたいのはそれだけやし
にのさん?て人、良ーく見張っといてや
…まぁ、しばらく出禁にもさして貰たけど」
「……いやそれは正に…俺の監督不行き届き、…じゃねーよ!」
危ない危ない
しおらしく謝るとこだったじゃねぇか
「悪いがそこまでは知らねぇ」
「は?」
俺の言葉にすばるがピクッと反応した
「にのは俺の子どもじゃねぇし、誰が誰とヤろうが関係ない
…まあ、お前の店に迷惑掛けたのだけは謝る、…
ただな」
自分のコーヒーをぐいっと飲んで
「…アイツ、すっごい面倒なんだもん」
…今度はすばるが吹き出しかけた
