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飴と鞭と甘いワナ

第4章 scene Ⅳ



A side

「寄越せよ」

"自分でやるから"
そんな熱っぽい潤んだ目で
凄まれてもなぁ。

しかも上掛け握った手が震えてンのは俺の気のせいじゃないよね?

あー 俺 今メッチャ意地悪い顔してる、うん。

だから……

ベッドの端にズイと膝突いて。

スプリングがギシと軋む音にニノの顔が引き攣った。

そのまんまジリジリと躙り寄って近づいていく。

ニノが後退れる隙なんてそんなにないもんね。

Tシャツとハーフパンツチラチラさせると視線が其れを追って…なんか猫っぽい。

「オマエ……巫山戯ンなよ」

気づいたらベットボードと枕に背中を阻まれてるニノが俺を睨んでる。

「着替えたいんだよ…渡せよ」

出された手に欲しいモノをすんなり渡してやるほど今日の俺は甘くない。

「着替え手伝ってやるって」

ホレホレと指先にTシャツを掠らせて。

掴もうと段々前のめりになるニノの前髪が汗でおデコに張り付いて何か子供みたい。

可愛くて思わずハグしたくなるけど。

然うは問屋が卸さない。

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