
飴と鞭と甘いワナ
第4章 scene Ⅳ
そんなに俺に触られンのがイヤなのかな?
バイが気持ち悪い…とか。
まさか…いやいや ニノはそんな偏見持つ様なヤツじゃない…って何で言い切れる?
でもさ、そんなん抜きにして…しんどいなら頼ってくれればいいのに…友達だろ、俺ら。
こっちの思い、知ってか知らずか…口唇尖らせたニノの目は相変わらずTシャツをロックオンしてる。
やっぱ熱があるンだろうね、フラフラして的が絞れないみたい。
つーか、着替えたいって言ってんのに渡さない俺も大概だけど。
さっさと諦めて
"着せ替えニノちゃん"
になってくれたら話は早いのに。
でもさ…ニノ、気づいてないだろ、俺との間合いがスゲェ詰んでるよ。
「ニノ」
呼べば。
ハッとしたニノは膝立ちで俺の前。
ふらつく肩をポンと押せばあっさり仰向け。
キョトンとしてるニノのベルトを緩めて…一気にボトムを全部脱がせた。
熱っぽく籠った男臭い体臭が鼻を突く。
室温に晒されみるみるうちに粟立っていく肌。
「馬鹿!!…いい加減にしろ!」
顔を真っ赤にしたニノの足が俺の鳩尾を蹴っ飛ばして、その勢いのまま俺はベッドから転がり落ちた。
