
飴と鞭と甘いワナ
第7章 episode 2
にのの家に引き摺り込んだのも、寂しがりやのにのを更に追い詰めるため
そんな事してないって確信はあったけど
わざと後輩の名前を出して
“誰を可愛がった?“
“可愛がってもらった?“
そうやってにのを煽った
ムキになって言い返してくるかと思ったらそれもないし
…泣いちゃうし
俺さ、昔からこいつの涙には弱いんだよ
結局それまでの過程がどうであれ、たった1粒のそれに全部持ってかれちゃうんだ
今日もこのパターンなのかと思うと
…ちょっと悔しくもあって
「…カズナリ」
「え…、…っ!!」
後頭部をしっかりと抑え、顎を掴んだ俺は
噛みつくようにその薄い唇を奪い取った
逃げようともがく唇を追いかけては深く塞ぐ
引き剥がそうと俺の服を掴んでたにのの指は
いつしか力なく下に卸されて
「ん…っふ…、んん…」
咥内を犯す俺の舌に応えるように、にのの舌も少しずつ俺に絡み付いてきた
にのの好きなキス
気持ちを存分に伝えられるそれに、にのの表情も蕩けてくる
だけど今日は
優しく出来ない…かも
