
飴と鞭と甘いワナ
第2章 scene Ⅱ
持っていきようのない想いだけが膨らんで。
溜め息吐いたら萎(しぼ)んじゃったよ、色々と
手招かれたシャンプー台の
椅子に
〝お邪魔します″
て腰掛ける。
N「………どした?」
小首傾げられて。
仕事でミスったって誤魔化す。
あながち嘘じゃないし。
何故かニノが
〝やっぱりな″
って顔してニヤリと笑う。
何?
何か俺の行動読まれてる?
ジッと此方を見詰める薄茶の瞳が俺の全部を見透かす。
身包み剥がされてる気分になるんだよ。
それさぁ…その目、俺 弱いんだから。
ボロ出したくないんだ。
……少しはカッコつけさせて。
