
飴と鞭と甘いワナ
第7章 episode 2
2杯目を飲み干す直前、チャイムがなった
モニターなんか見なくても分かる
『開いてるから入れば?』
わざとそっけなく言って、プツンと応答を切る
勿論ロックは解除済み
にのの事だ
怒りに任せてここに来るだろう
目なんか、潤ませちゃって
顔も赤くしちゃって
怒ってるのに色っぽいあの顔が見れる
あー、楽しみ
だってここに来た時が
…本当のゲームオーバーなんだから
ガチャンと勢い良く玄関が開く
苛立ちをそのままに、靴を脱ぐ音まで響いてきて
その次はドスドスと廊下を進む音
後少し
リビングドアの横に貼り付くように立って
自ら檻に入り込もうとする、可愛すぎる小鬼を待ち伏せた
「お前、ふざけん…っ!?」
ドアが開いて、怒鳴り声と共に現れたにのをすぐに後ろから抱き締める
「…もう、おしまいだよ?」
驚きに固まるにのの項に、噛みつくように唇を寄せた
「な…、何言ってん…っ」
「最初、にのが逃げて俺が捕まえた
…今度は俺が逃げて、お前が
やっぱり捕まったの、俺に」
白い項に吸い付いて、紅い痕を刻めば
にのの体がびくんと跳ねた
