
飴と鞭と甘いワナ
第7章 episode 2
「カズ?」
「何?」
「呼んだだけ」
何だよ、その古典的ベタな切り返し。
だったら
「まーくん」
「ン?」
「呼んだだけ」
フフッと相葉さんが微笑う。
呼べば応える その距離が今はただ愛しい。
だから"らしく"なく
「無理すんな…不器用なクセに」
"天の邪鬼"が"甘の邪鬼"になっちゃうンだよ。
「偉そうに…"公私分ける"だぁ?…オマエには無理無理」
照れを茶化しに代えて。
でもさ、その気持ちがスゲェ嬉しくて。
……言わないケド。
あ、"言わない"のは怠慢なんだっけか?
ま、いいや…天の邪鬼だし、俺。
まーくん……
"鬼"は健在だかんな…だからさ、無理しないで…アナタはアナタのスタンスで。
オマエが呼んでくれンなら…鬼は何処までも追いかけてくから。
鬼さん こちら…手の鳴る方へ…早く おいで。
All End
