
飴と鞭と甘いワナ
第2章 scene Ⅱ
「ねぇ…ー雅紀?」
「んー?」
トリートメントを揉み込みながら、軽くジャブをかます。
「お前、女にフラれただろ」
「な…なななななんで!!」
ほら当たった。
仕事のミスなんか日常茶飯事だから、ただ思い付いた事を適当に言っただけなんだけど
面白いくらい、反応したよ(笑)
本当隠し事の出来ないヤツ。
まあ、でもそれだけではなさそうだな。
そのコに何か言われたか…
よし、そこは後でじっくり攻めるとして
…ちょっと揶揄っちゃおうかなぁ
今の雅紀は囚われたウサギ、だし?
身動きできないし?
「雅紀、特別にマッサージしてやるよ」
…いらないっつってもやるけどね
そっと雅紀の髪に指を埋める
頭皮に辿り着くと、指の腹でそこをじっくりとほぐし始めた
「あ…気持ちいい」
「だろ?」
うっとりした雅紀を、満足気に見つめる。
「…頭ってさ、結構疲れ溜まるんだよ」
まあ、そんな事言いながら
これから、少しだけ疲れさせるかもしれないけどね。
