
飴と鞭と甘いワナ
第1章 scene Ⅰ
ネコババ…じゃなくて。
神様からありがたーく施された100円で買った二流メーカーの缶コーヒー。
飲みたいけど……
ここはグッと我慢の俺。
この後の重要アイテムになるンだから、うん。
とりあえず帰った部屋の真ん中で大の字で待機。
動くと腹減るし。
ワンルーム…なんて云えば聞こえの良い六畳一間のぼろアパート。
築30年は優に越えてて…多分俺と同い年。
今時、汲み取るトイレってスゴくね?
〝 昭和チックな懐古主義〝
なんてドヤ顔ってみたとこで、其の実、金がないだけ。
ホント、俺って金の巡りが悪い…てか、ついてない…て云うか、運に見放されてるってか…以下略。
毎月、どうやって食っていこうかって無い頭をフル回転させてンだけど…出てくる答えなんてたかが知れてる。
そう
〝がむしゃらに働け!稼げ!〝
稼げってもなぁ……。
今日ヤラかしたばっかのミスを思い出す。
宅配便のアシストやって早2年
なのに……
未だに誤配に遅配。
挙げ句に転けて荷物自損。
ミスの原因は俺のボンヤリなんだけど。
そのボンヤリの大本ってのが別れた彼女との…あぁもう!!
