
飴と鞭と甘いワナ
第1章 scene Ⅰ
元々乗り気じゃなかった彼女との交際
俺は元来激しくゲイ寄りな
〝なんちゃってバイ〝
手っ取り早く言えば
〝オンナも軽く摘まめちゃいます〝
的な。
こう云えばだらしなくて、節操無さげに聞こえるけど…付き合うってなったらかなり一途…これは太鼓判押せる、うん。
二週間前……
呼び出された駅のロータリー。
〝騙したわね、ホモのくせに〝
いきなり罵倒とビンタの来襲。
元より騙したつもりも、騙すつもりもなかった俺。
聞かれなかったから言わなかっただけなのに。
〝別れた〝
事実よりもその痛烈な捨て台詞に傷付いた。
その痛みをボンヤリに変換して、現在に至る…ってワケだけど。
プラベを仕事に持ち込むのは如何なものかとニノだったら侮蔑の目をするだろうな、確実に。
あ、ニノと云えば……
スマホに目をやればヤツの終業15分前…時は来たれり。
画面をタップして
『ニノちゃん!
助けて!
髪がウザい!
頭痒い!』
エマージェンシー・コールを送信。
クフフ…細工は隆々 仕上げを御覧じろ、だ。
