
飴と鞭と甘いワナ
第2章 scene Ⅱ
雅紀の顔に、声に煽られて
…思わずやっちゃったけど。
不思議と雅紀なら大丈夫だった。
これが他のヤツならまっぴらごめんだ。絶対に女の子のが何万倍もいいに決まってる。
あれ?
って事はさ
…俺も、少なからず雅紀をトクベツに感じてる?
ただイジメたいとか、揶揄りたいだけじゃなくて?
「二ノ…」
泣きそうな雅紀の声に、ハッとした。
「…スッキリ、した?」
今はこれ以上は何も考えたくない。
…俺は雅紀に何も言わせないように仕向けた。
「ほら、髪切るから…あっち行くぞ」
塗らしたタオルで雅紀の下半身を拭ってあげて、立たせたらすぐに下着とジーパンを履かせてやる
「……」
その「作業」に、雅紀はただ黙って従った。
…まだ、頭がついていかないのが幸いだった。
雅紀の手を引っ張って、大きな鏡の前の椅子に座らせる。
雅紀は赤い顔のまま俯いて
俺も何だか気恥ずかしくて
お互い言葉を発する事なく、
無言で髪を乾かしていった。
