
飴と鞭と甘いワナ
第3章 scene Ⅲ
久々に会った大野さんは
相変わらず。
コンビニ出てから
そのままの流れて近くの公園でランチタイム。
あ、"大野さん"は
ニノのお店のエラいさん。
何度もコンクールでゴールド取ってる、所謂"カリスマ"って肩書きが付くスゴい人。
ニノ曰く
"カリスマなんて安っぽい十把一絡げな言葉で
括って欲しくない"
だそうで。
そんなエラい人なのに、俺みたいなみそっかすにも声掛けてくれる。
俺的には単純に
"スゴいイイ人"
並んで座ったベンチで
手渡された缶コーヒー。
"オニギリ奪っちゃったから"
って律儀な大野さん。
んで、いきなりクルンてオニギリのフィルム剥いて。
頬張って…えっ…咀嚼10秒!?
お茶流し込んで……あ、二口め…………食事終了?
俺のオニギリ、まだフィルム剥いでもないよ。
「時は金なり…だかんな」
ドヤ顔で投げたゴミがゴミ箱に入らずに跳ねて。
ノロノロ 拾う姿が微妙に間抜け。
戻ってきた大野さんは
缶コーヒーを
"返してね"
って一気飲み。
どうやら俺にくれたのは一口分だけだったっぽい。
