
飴と鞭と甘いワナ
第3章 scene Ⅲ
19時25分
鏡に向かって全身チェック。
白のシャツはスタンドカラー。
サスペンダーは細めのが好み。
黒のパンツに色を合わせて。
袖には気に入りの
シャツガーター。
俺の戦闘服。
ヤバ……
鏡の中に武者震ってる俺。
……相変わらず冴えないな。
身震い一つ。
壁際の柱時計がボーンと鳴って時を刻んだ。
19時30分…………………just
ドアがノックされた。
*
*
"嘘だろ?"
ってニノが俺を見る。
終盤戦………
ニノがミスして。
次のショットは俺。
キューを握る。
腕を引いて。
遠慮なく突く。
吸い込まれる様に9がポケットに消えた。
"マジか!?"
ニノの口が、
"……信じらンない"
金魚みたいにパクパクしてる。
もう俺的にはその顔見れただけでリベンジ成功!
だからさ……
うっかり……て云うか
意気揚々……と云いますか
……手の内 明かしちゃった。
