
飴と鞭と甘いワナ
第3章 scene Ⅲ
あれ?俺ヤバイ?
雅紀のヤツ、何急に強気になってんの?
…ってかさ
その声、マジで腰にクるんだけど。
ずっとその声出されると本気でマズイ…!
「…今日の主導権は、俺でいいよね?」
「あ…っ」
首筋に噛み付かれて、思わず変な声が出てしまった。
お返しとばかりに雅紀の手が、俺のシャツのボタンを外していく
シャツを抜かれて、インナーの中に指が這わされたら
「く…っ止めろって…!」
情けない声の制止しか出来なかった。
「やめない。こないだ好き勝手にやられたんだから…」
…やっぱりそれか
まあ、そうだよな。
俺だって、多少なりとも罪悪感は持ってる。
でもさ
…完全に拒否、はしてなかったよね?
本当に嫌なら、殴ってでも蹴ってでも逃げられたはずだろ。
体格も、筋力も遥かに俺より強いのは明確なんだから。
…それをしなかったのはなんで?
俺が好きだから、じゃないの?
それともただの "手を出したらいけない" 何て言う馬鹿げた正義感?
